私たちが日頃「保育園」と呼ぶ、乳幼児の子どもを預ける施設。
実は、その「保育園」には、いくつもの種類があり、それぞれ特徴や保育園への入り方や入れる条件に至るまで、さまざまな違いがあるのです!
まもなく始まろうとしている秋には、おいしいものや心地良い秋風とともに…、保育園に入るための活動である「保活」のシーズンがやってきますね…。
特に待機児童の多い「激戦区」と呼ばれる地域のママたちにとっては頭の痛い問題ではありますが、焦らず少しずつ、まずは“保育園を知るところから”はじめてみましょう!
保育園の種類や違いについて紹介します。園選びの参考にしてくださいね。
いろいろある保育園の種類!大きく分けると認可・認可外保育園に二分される!
まず、保育園の種類は、認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)の2つに大カテゴリーとして分けることができます。
それぞれの特徴と、メリット・デメリットを簡単に紹介します。
認可保育園~多くのママが希望する福祉の保育機関!~
認可保育園とは、国が定めた基準を満たして各都道府県知事に認可をされた保育園です。
ちょっと難しいのですが、たとえば保育園を作る際には、保育士の人数や部屋の面積など、国が定める満たさなければならない基準がいくつもあります。
それらの厳しい条件をすべてクリアした保育園が、認可保育園となることができるのです。
そんな認可保育園の特徴を見ていきましょう。
認可保育園の保育料
認可保育園の中でも、自治体が運営する公立保育園と、それ以外の私立保育園があります。
一見学校などのイメージから「公立は安くて私立は高い?」と考えられそうですが、公立も私立も、認可保育園の保育料は変わりません。(各園で購入するものの諸費は園によって変わりますが。)
しかし、認可保育園の保育料は、各家庭の保護者の所得や家庭状況によって変わってくるので、「A保育園の保育料は○円」といった考え方は当てはまりません。
2019年秋から3歳児以上は保育料が無償化される!
また、2019年秋、タイムリーな嬉しいニュースがありましたね♪
私事になりますが4歳児の息子の保育料が無償化されるという通知を見て(2019年10月~)、跳びはねたことが記憶に新しいです(笑)年間数十万円の経済的負担が変わってくることを実感!
元々、認可保育園は福祉事業の一環なので、保育料は無理なく払える額(私の自治体だと、平均的な所得の家庭では0歳児は月額30000円前後、5歳児は10000円前後)に設定されていました。
この費用負担の少なさが、認可保育園を希望する方が多い理由の一つというのも納得ですよね!
それが、これからは3歳児以上は、園にもよりますが給食費(家庭状況に応じて免除もあるようです)と園独自が定める教材費などの諸費だけの負担でOKとなるようです!
詳しくは内閣府の「幼児教育・保育の無償化」の公式サイト(https://www.youhomushouka.go.jp/)をご参照ください。
0~2歳児は残念ながら対象ではありませんが、それでも長期利用を見越して保活をするわけですがら、数年後にその恩恵を受けられるとわかれば心強いですよね♪
認可保育園に入る条件、申し込み方法
認可保育園に入りたい場合、初めての方は驚くことも多いようですが、申し込みの窓口は園ではなく役所などの自治体の担当窓口です。
認可保育園に入るには、保護者の方が共働きであったり、家に病気の方や介護が必要なかたがいたりといった、「家で子どもを日中見ることが難しい状況」であることが条件となります。
さらに、そういった条件の家庭に絞っても、特に低年齢の子どもにおいては保育園の募集枠数より入所希望者が多いため、各家庭の事情を各自治体が定めた基準に従って、書類や面談をもとに点数化します。
その点数が高い家、要するに「より保育園を必要としている、と判断される家」の子どもから順番に、保育園には入れるという方法が取られています。
自治体によりますが、9~11月くらいの秋に一斉に次年度の春の入園希望者に向けて書類配布や申し込みが始まります。
赤ちゃんを抱いたお母さんたちで役所がごったがえす状況や、切実なインタビューなどをテレビなどで見たことはありませんか?
求職中や短時間パートでも申し込むことはできますが、こういった事情がありますので、どうしてもフルタイムの方に比べて「保育を必要とする順位」が下がってしまうのですね…。
身近で手厚い認可保育園ですが、入るまでの道のりは平坦ではないケースが多いようです…。
認可保育園のメリット
これらを踏まえ、認可保育園のメリット・デメリットをまとめます。
メリット
・保育士不足や過密保育が問題視されている時代において、それらの基準を満たしているということが安心感につながる
・園が助成を受けているため、保護者は保育料など経済的負担が少なく済む
・入園希望の園が複数候補あっても、自治体の窓口にて手続きが済むため、希望園の数だけ申し込みなどを行う手間がない(いくつまで希望できるかは自治体により異なります)
認可保育園のメリット
デメリット
・フルタイム共働きやそれ相当の高得点となる家庭以外は、希望の園に入りにくい(地域によってはフルタイムでも難しい場合も多い)
・各園によってカラーはあるものの、開園時間、保育可能時間や細則まで、個別のニーズには対応してもらいづらい(夜勤の時間帯の保育や、手ぶらで登園といったサービス性が充実しているケースは少ない)
・秋に申し込みを行うが、結果が出るのは2月頃。そこで保留(保育園に入園できない)を知らされた場合、他の手段がないと復職できないリスクなどもある
・入園できても、途中で親が仕事を辞めたり事情が変わった場合には、退園しなければいけなくなる場合もある
認可保育園まとめ
認可保育園は人気が高くいろいろなメリットがありますが、特に入るまでに苦労が多いというのも特徴のひとつです。この先の「認可外保育園」の特徴と比較しながら、園選びの参考にしてみてくださいね。
*現在の状況で「じゃぁうちは認可保育園は無理かぁ…」と思われる在宅ママの方もおられるかもしれません。でも、私自身、出産を機にフルタイムの仕事を辞めましたが、在宅ワーカーとして保活に参戦し、認可保育園に子どもを預けることができました。もちろん、自治体やケースにもよりますが、「そんな人もいるんだ」「そんな方法もあるんだ」と少しでも希望を持っていただけると嬉しいので、良かったらこちらの記事も読んでみてくださいね。
参考フリーランスの保活は厳しい!?待機児童が多い激戦区でも保育園に入れた体験談を全て紹介
認可外保育園~幅広いニーズに対応した保育園!~
上の認可外保育園の他の子どもを預かる施設は、すべて認可外保育園(無認可保育園・認可外保育施設)となります。
「認可外」「無認可」という響きから、「どこか基準を満たしていない→危ないのでは?」と思われる方もおられるかもしれませんね。
たしかに、一部報道でもあったようにスタッフが不在の時間があったり劣悪な環境や事故…など悪い面が目立ってしまう感じも否めないかと思います。
しかし、「都市部で十分な面積の園庭が作れなかった」(それでもお散歩で公園に行くので外遊びも保障します)といったように、ほんの少しどこか基準に満たない点があり認可保育園になれなかったケースや、独自のサービスを展開するために、あえて認可を受けずに運営をしている施設も多いようです!
そんな、ある意味自由度の高い認可外保育園だからこそ実現が可能な実例も踏まえ、特徴などを紹介します。
認可外保育園の特徴
福祉の機関であるがゆえ、入るためや入った後にもさまざまな細則や制限が目立つ認可保育園。
近年では、保護者の方のライフスタイルの多様化によって、夜間や休日にも保育が必要であったり、生後間もない時期に赤ちゃんを預けなければならないケースなど、「認可保育園ではカバーできない事情」のある家庭も増えています。
- 早期(生後数十日からなど)
- 学童保育も兼ねている施設
- 24時間または早朝から夜遅くまでなどの中で、必要な時間だけ保育を頼める環境がある
など、多様なニーズに応じた保育を実現できるのが、認可保育園の特徴です。
また、たとえば自宅までの送迎、園に講師がいて英語などの早期教育プログラム、手ぶら登園可能(着替えもオムツも持参不要、すべて園で貸し出し)といったように、忙しい保護者の方に嬉しいサービスが豊富なのも認可外保育園ならではでしょう。
認可保育園では、どうしても専業主婦や保育の点数が低い場合には諦めざるを得ない我が子の入園。
でも、認可外保育園であれば理由を問わずに子どもを預けることが可能です!
ママの息抜きなどの一時利用ができる園が多いのも、認可外保育園の強みですね。
認可外保育園の保育料
認可外保育園の保育料は、国や自治体が定めるのではなく、施設が独自で決めています。
なので、料金形態も認可保育園に近い料金帯のところから、月極で数十万円になるところまで…立地やサービスなどによってさまざまです。
認可外保育園では、施設の維持費スタッフの人件費など、すべてを利用者からの保育料で運営されているため、どうしても料金が高めになってしまうのですね。
なので、認可外保育園を探す場合には、立地や雰囲気などとともに、料金面もしっかりチェックしておくことが必要です。
(*2019年10月から、3歳児以上は一定の条件を満たせば認可外保育園の利用でも保育料の一部負担助成などが始まります。詳細は先述の内閣府のサイトでご確認ください。)
認可外保育園の申し込み方法
認可外保育園は、特に園が独自で定めない限り、誰でも申し込むことができます。
申し込み方法は、直接園に問い合わせをして手続きを進めていく、という方法です。
併願でいくつかの認可外保育園を申し込む場合には、それぞれの園で所定の申し込みをする必要があります。
激戦区などでは、認可外保育園も定員オーバーということが多いようですが、在籍する子が「途中で認可保育園に入ることができたから退園」「元々一時的な利用の予定だった」など、入れ替わりが激しいケースが多いです。
なので、保活がうまくいかなくとも、可能であれば認可外保育園の順番待ちの登録をしておくという方法もあります。
認可保育園も年度途中で枠が空くこともありますが、引っ越しやよほどの事情がないとなかなか退園までするケースは少ないので、認可外保育園はそういう点でも「より入りやすい保育園」といえるかもしれません。(もちろんケースバイケースですが…。)
認可外保育園まとめ
認可外保育園は、特にホームページや事前資料から表面的に見える面は「保育料の高さ」「サービスの豊富さやフレキシブルさ」かと思います。
しかし、地域ごとに同じような方針で運営されている認可保育園に比べると、認可外保育園は、実際園に足を運んでみたり詳しい方の話を聞くことでしかつかめない雰囲気や実態も多いでしょう。
どの保育園を選ぶ際にも言えることですが、多様なかたちをもつ認可外保育園を検討する際は、見学などをしてしっかりママの目で知りたいことをたしかめてくださいね!
いろいろな園があることを知って、計画的に保活を進めよう!
今回は保育園の種類の紹介でしたが、同じ「認可保育園」というの枠のなかでもA園とB園、C園…と当然それぞれ立地も建物も違えば、保育理念や力を入れている取り組みも違います。
大切な我が子を長く預ける保育園を選ぶ保活。大変なことも多いですが、無理をせず計画的に見学や書類記入をすすめていってくださいね。
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